タクシー会社の面接で落ちることはある?不採用になる理由とは

慢性的な人手不足が課題となっているタクシー業界では、タクシー会社への就職や転職が比較的成功しやすい点がメリットです。しかし、いかに売り手市場のタクシー業界といえども、社会人として最低限のマナーやルールを意識しなければ面接で落ちることもあります。タクシー会社の面接で失敗したり不採用になったりする理由をまとめましたので、参考にしてください。

タクシー会社の面接で落ちる人の特徴・原因

志望動機がふわっとしている

タクシー業界やタクシー会社の面接に限った話ではありませんが、面接で志望動機について尋ねられた際に、自分なりの志望動機をきちんと答えられないことは大きな減点ポイントです。

タクシー会社の面接を受ける時点で、その会社に就職や転職したいという動機があるはずであり、面接官もその内容を知りたいと考えるのは当然です。

それにもかかわらず、志望動機やタクシードライバーとして働きたい理由を何も答えられなかったり、曖昧なまま誤魔化そうとしたりすれば、就職活動が本気でないと思われても仕方ありません。

コミュニケーションが取れない

タクシードライバーはタクシーを運転するプロですが、本質的には接客業です。そのため、どれほど車の運転が得意でも、人との対話やコミュニケーションをおろそかにする人はNGとなります。

面接は履歴書などの資料だけでは判断できない、求職者の人となりを実際の対話を通して面接官がチェックする場であり、面接でコミュニケーションに問題があると判断されればタクシードライバーとしての採用は難しくなります。

なお、単に受け答えができないとか、ハキハキと話せないだけでなく、質問されていない話を延々としゃべるといった自分本位の行動も問題です。

事故や違反歴が多い

タクシードライバーとして日常的に車を運転する時間が長くなるほど、交通事故のリスクも増加します。

交通事故は自分だけが注意していても、思いがけないタイミングで不運に巻き込まれてしまうこともあり、完全にリスクをゼロにすることはできません。しかし、明らかに事故歴や違反歴が多い人の場合、安全運転に対する意識が欠如していると判断されても仕方がありません。

タクシードライバーは乗務員だけでなく、お客様を乗せて移動する仕事であり、過去の違反歴や事故歴が多い場合や、免許が停止・失効している人は面接でもマイナスイメージがつくでしょう。

健康状態に不安がある

持病がある人や健康状態に不安がある人は、運転中に突発的な事故やトラブルのリスクが増えるため、タクシードライバーとしての採用が難しくなる可能性があります。

なお、タクシードライバーは定年後の再就職先としてもメリットが期待できる職業であり、高齢だからといって必ずしも面接や採用で不利になるとは限りません。逆に、若い年代の求職者であっても、意識を失う可能性があったり、現在治療中で通院していたりする場合は、採用時のチェックが厳しくなります。

また、持病の内容は医療従事者でなければ分かりにくいため、もし気になる要素がある場合は、あらかじめ医師に相談して運転や業務に支障がないことを文書にしてもらうと良いでしょう。

入れ墨が入っている

入れ墨やタトゥーをファッションの一つとして考える人も増えており、入れ墨やタトゥーは昔に比べると社会的に珍しくないものになりました。しかし、それでも入れ墨やタトゥーに対して拒否感や嫌悪感を抱く人は少なくなく、タクシードライバーとして働く中で入れ墨に不安感を抱く人を乗せることも当然あるでしょう。

重要なのは、入れ墨やタトゥーがあるという点よりも、それらを人目にさらすことについて何の意識や配慮もしない点です。

そのため、例えば腕に入れ墨やタトゥーがあったとして、それが透けて見えるような状態で面接に訪れる人は、接客業に必要な配慮が足りないと判断されます。

清潔感がない、身だしなみを気にしていない

入れ墨やタトゥーの話と同様に、タクシードライバーは接客業であり、さまざまな人と接する仕事です。そのため、第一印象で相手に不快感や不潔感を抱かせる人はNGとなります。

「清潔感」は科学的・物理的な「清潔さ」を意味するものではなく、自分と相対した人が抱く印象や感想です。清潔感を大切にするということは、単に洋服を洗濯して髪を洗って清潔な状態に保つだけでなく、きちんと身だしなみを整えて「不潔に思われない状態にする」ということが肝要です。

シワのないシャツを着る、髪型をきちんと整える、ひげを剃るなど、身だしなみを整えることが清潔感を保つ上で重要です。

時間を守れない

面接の約束をしている時間に遅刻することは、第一印象として最悪の部類に入ります。

もちろん、電車で面接先の会社へ向かったり、車で移動したりする際に事故遅延や渋滞に巻き込まれる可能性はあります。しかし、その場合も最初から遅刻した際のリスクを想定して早めに行動しておく意識が肝心です。

タクシードライバーの仕事では、お客様から指定された時間に指定場所へ迎えに行くことも多く、時間にルーズだという印象を与える行為や遅刻は避けるべきです。突発的なトラブルでどうしても面接開始時刻に間に合わない場合は、必ず早めに連絡して状況を簡潔かつ正確に伝えるようにします。

面接で落ちないために準備しておくこと

就職面接で落ちないように、前もって意識できるポイントは少なくありません。ここでは一般的な就職面接における注意点から、タクシードライバーならではのコツまでまとめていますので、ぜひチェックしてください。

会社選びを行って志望動機を考える

まず、面接を受けるに当たって就職先となる会社を選定しなければなりません。また、その際にはきちんと応募条件を確認し、自分が条件にマッチしているのか確かめることも必要です。

それを踏まえて、自分がどうしてその会社に就職したいのか、タクシードライバーとして働きたい理由や会社を選んだポイントなどを前もって考えておきましょう。

質疑応答を想定して事前にシミュレーション

面接で聞かれそうな内容や質問をイメージし、それにハキハキと答えられるよう事前にしっかり練習しておきます。ただし、実際の面接では必ずしも想定問答の通りに進むとは限らないため、予期していない質問が来ても焦らずに対応できるよう、落ち着いて言葉を発する練習を重ねることが肝要です。

忘れ物がないように前日から準備する

履歴書や書類、会社から事前に受け取っている案内や筆記用具など、必要な書類や持ち物について忘れ物がないよう前日に準備しておく余裕も大切です。

当日になってから焦って準備を始めても、思いがけない失敗をしてしまう可能性が高まります。必ず余裕を持って準備し、前日には再チェックして当日に焦る必要がないように整えておきましょう。

服装や小物は清潔感を大切にする

派手な服装や小物は避け、シャツやスーツ、靴などをきちんと綺麗な状態にしておきます。

なお、スーツや靴などは高級品である必要はありませんが、事前にアイロンをかけてシワを伸ばし、不快なニオイがしないようクリーニングへ出しておくと良いでしょう。また、靴についても泥汚れなどが残っていないよう丁寧に拭いておきましょう。

早めに起きて身だしなみを整える

面接当日は早めに起きて、歯みがきやヒゲソリなど、身だしなみを整えておきます。特に面接ギリギリに起きると顔がむくんでいたり、眠たそうな表情になったりすることもあるため、必ず遅くとも面接開始の3~4時間前には起きて準備するようにしてください。

特に夏場などは汗の臭いがしないようケアすることもポイントです。

食事のタイミングや内容に気をつける

面接前に食事をしておくことで、面接中にお腹が鳴るといった事態を防げます。ただし、水分の多い食事はトイレに行きたくなる可能性があるため、あくまで小腹を満たす程度にしておきましょう。

また、ニンニクなど臭いのきつい食事は前日から避けておいてください。

志望先の会社があるエリアについて事前に調べる

会社のある土地の地名や主要な道路の名称などをあらかじめ調べることも効果的です。また、可能であれば実際に会社の周囲を歩いたり車で走ったりしておき、気になるポイントをまとめておくと、面接時の自己アピールとして活用できるかもしれません。

まとめ

タクシー業界では人手不足が深刻化しており、一般的な企業面接と比べれば採用されやすいとされています。しかし、売り手市場だからといって社会人としてのマナーやルールを無視する人は、信用できない人物と判断され、面接でも厳しい評価を受けるでしょう。

タクシー会社も可能な限り採用したいと考えているからこそ、面接を恐れず、きちんと対策して就職の意思を示すチャンスにしてください。

   
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