タクシードライバーの給与保証とは

多くのタクシー会社では、新規で入社したドライバーに対して一定期間の給与保証制度を用意しています。ここでは、給与保証の意味やメリット・デメリット、注意点などについて解説しています。

給与保証とは

給与保証とは、入社から一定期間のドライバーに対し、実際の売り上げに関わらず最低限の給与を保証する制度です。
タクシードライバーの中には、デビュー当初から比較的稼げる方もいるようですが、土地の事情や人の流れを知るまでの間、思い通りに稼げないことの方が多いでしょう。せっかく入社したのに、思ったように稼げず生活もままならない状態では、ドライバーは早々に転職を考えなければなりません。業界の人手不足が深刻化する中、入社したドライバーがすぐに辞めてしまっては、会社にとっても痛手となることでしょう。そのような事態を避けるために設けられているのが給与保証制度なのです
。最低給与が保証される期間は、「このくらいの経験を積めば実績給でも生活できるようになる」という一般的な期間が設定されています。
h2売上額が給与保証額を上回った場合
売上額が給与保証を下回った場合には、規定の保証給与が支給されます。一方で、もし売上額が給与保証を上回った場合には、給与保証額にプラスして上回った分も支給されるのでしょうか?

給与保証額を上回った分は支給される

結論からいうと、もし売上額が給与保証額を上回った場合は、その分も給与として支給されます。「給与保証額+歩合給」という形となりますが、基本的に歩合給には上限がないため、稼げば稼ぐほど支給総額も増加します。

給与保証額を上回れば会社もうれしい

支給する歩合給が多くなると会社が困るのでは?と思う方がいるかもしれませんが、そんな事はありません。
一般的なタクシー会社では、売上の50~60%がドライバーの給与となり、40~50%が会社の売上となります。ドライバーが稼げば稼ぐほど、会社の売上も上がるという仕組みです。ドライバーが給与保証額を超えて歩合給を稼げば、ドライバーにとっても会社にとってもうれしい結果になります。

給与保証のメリット・デメリット

大半のタクシー会社では一定期間の給与保証制度を設けていますが、中には給与保証のないタクシー会社もあるようです。給与保証があることのメリット・デメリットを見てみましょう。

給与保証のメリット

給与保証は、いわば一定期間の生活保証制度のようなもの。デビューして実力で稼げるようになるまで、会社がドライバーに最低限の生活費を保証してくれる制度です。
一部の例外的なドライバーを除き、デビューしてすぐに歩合給まで稼ぐのは至難の業です。経験を積んで稼げるようになるまで会社が生活費を保証してくれれば、ドライバーは安心して業務を覚えていけるでしょう。

給与保証のデメリット

給与保証のデメリットは、少なくともドライバーにはほとんどありません。会社にとっては一定期間の費用が必要になりますが、稼げるドライバーの育成コストと考えれば、長期的にはデメリットとならないでしょう。
あえてデメリットを1つ挙げれば、会社が直接行う研修が手薄になるかもしれないこと。実際の乗車業務を通じて仕事を学んでいく形となるため、中には会社からの直接的な研修が少ないところもあるようです。
会社の研修体制については、応募する前に事前にしっかりと確認しておきましょう。

タクシードライバーの給与体系

タクシードライバーの給与体系は大きく3種類に分かれており、会社によって異なります。

固定給+歩合給+会社実績に応じた賞与

固定給と歩合給に加え、会社の実績に応じた賞与が支払われます。会社の実績が良ければ賞与も高くなりますが、会社の実績が悪ければ賞与が低くなることもあります。

固定給+歩合給+個人実績に応じた賞与

固定給と歩合給に加え、賞与が固定給と歩合給の一部から積み立てられている給与体系です。歩合給が高いほど積み立ての金額も高くなるため、自分が努力して稼いだ分だけ賞与額に反映されるシステムといえるでしょう。

完全歩合制

「ドライバーの売上×歩合率」のみで給与が計算されるシステムです。この給与体系を導入している多くのタクシー会社では、一般的に歩合率を50~60%と設定しているようです。
実力次第で大きく稼げるため、経験豊富なベテランドライバーから好まれる傾向のある給与体系です。

タクシードライバーの給与保証に関する注意点

給与保証があれば、最低限の生活は約束されるでしょう。ただし、中には、この制度ゆえに、仕事に甘えが生じてしまうドライバーもいるようです。
給与保証は、ドライバーが自立して稼げるようになるまでの間、会社から与えられた猶予期間です。「この時期までに、しっかりと稼げるよう仕事を覚える」という強い意志を持って業務に取り組まなければ、やがて猶予期間が終了し、以後は生活に窮する恐れもあります。
会社の給与保証に甘えず、自分で明確な目標を立てて業務へ真剣に取り組むようにしましょう。

   
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