観光タクシー運転手になるには

タクシードライバーといっても働き方や客層などによって複数の種類があり、観光タクシー運転手もまたタクシードライバーの働き方の1つです。このページでは、観光タクシー運転手について詳しく解説しますので参考にしてください。

観光タクシーとは

観光タクシーとは文字通り「観光」に特化したタクシーであり、観光客に対するサービス業務の1つといえます。通常のタクシードライバーが一般の乗客をターゲットにするのに対して、観光タクシーの客層は観光客です。タクシーの移動先や目的地も観光スポットや各エリアの観光名所などが中心になります。

観光タクシー運転手の役割は単に観光地で観光客をピックアップし、タクシーを運転して観光客を目的の場所まで運ぶだけではありません。むしろ現地で観光客と一緒に降車して観光案内まで対応することが観光タクシー運転手の神髄となります。そのため観光タクシーはタクシードライバーとしての性質と、旅行会社の添乗員やガイド役のような役目を兼ね備えた仕事といえるでしょう。

観光タクシーの利用料金

観光タクシーの利用料金の計算方法は、タクシーの移動距離や移動時間によって加算されるのではなく、1時間単位や30分単位で一定の料金が加算されるという仕組みが一般的です。

通常のタクシーは顧客を乗せて移動している時間に対して費用が発生しますが、観光タクシーは降車してからの案内もサービスに含まれるため、トータルの案内時間をベースにして料金が計算されることになります。

観光タクシーを利用する客層

観光タクシーを利用する客層には、プロの案内によって現地でしっかり観光したいものの、観光バスのように団体で行動することは避けたいというニーズを持つ人が多いです。個人や家族連れ、仲の良い友人同士で旅行先を訪れた人などが利用します。国内観光客から外国人観光客まで幅広い客層が考えられます。ある程度のコストを払ってでも旅行の質を高めたい人も多いでしょう。

観光タクシー運転手に求められるスキル・向いている人

タクシーの運転スキル

当然ながら、タクシードライバーとして常に安心安全な運転を行えるスキルが必須です。

スケジュール管理能力

目的地によっては入場・入館時間が限られていたり、渋滞が発生しやすい時間帯があったりするため、適切なスケジュール管理を行えることも重要なポイントです。

様々な観光情報についての知識

通常のタクシーでなく観光タクシーを利用するメリットは、プロの案内で観光地を楽しく巡れることにあります。そのため、必然的に観光タクシー運転手は観光案内のエキスパートとして十分な知識を備えておかなければなりません。

旅行を楽しませるホスピタリティ

観光タクシー運転手は旅行客にとって信頼できるサポーターであり、同時に旅行の品質を左右する重要人物です。タクシードライバーとして乗客に対して笑顔でコミュニケーションを取り、それぞれの顧客の反応にも意識を配って臨機応変に対応するホスピタリティが必須となります。

外国語や様々な土地についての知識

インバウンド観光客を案内する場合、少なくとも簡単な英語によるコミュニケーションが取れた方が無難です。現在は翻訳アプリなどもありますが、やはり口答で対話できることは好印象や信頼獲得へつながります。

また日本人や外国人を問わず、相手の出身地や出身国について知識があれば会話を弾ませるきっかけになるでしょう。

観光タクシー運転手になるには

個人で観光タクシー運転手になる方法もありますが、基本的には観光タクシーサービスを提供しているタクシー会社へ就職して、そこで観光タクシー運転手として必要なスキルを習得した後にデビューすることが多いと考えられます。

ただし、どのような方法で観光タクシー運転手を目指すとしても、根本的にタクシードライバーとしての経験やスキルが不足していれば信頼される観光タクシー運転手にはなれないため、まずは通常のタクシードライバーとして十分な経験を積める環境を探すことが大切です。

特に、インバウンド客に向けた研修や人材教育を行っているタクシー会社であればスキル向上にも役立ちます。

観光タクシードライバーの認定資格は必須？

観光タクシー運転手に必須な資格は原則として二種免許だけです。そのため、タクシードライバーの資格を持つ人であれば誰でも観光タクシー運転手になることは可能です。

しかし実際に観光タクシー運転手として活躍するためには幅広い知識やスキルが必要であり、観光地によっては悪質な観光タクシー運転手のせいで観光客が悲しい思いをしないよう、業者選びの指標になる認定制度を設けている場合もあります。

認定資格がなくても観光タクシー運転手になれますが、各地の行政や観光協会が認定している資格を取得しておけばプロとして客観的な実力の証明になります。